親の意識と塾 5
みすみす子どもが苦しんだりゆがんだりしていくのを目のまえに見ながら、それに加担することなどとてもできません。
十年ほどまえまで、ぼくの塾は世間一般の学習塾のように時間割を組んでいました。
つまり、土曜日は学校が午後ありませんし、春休み、冬休み、夏休み、祭日などは学校は休みです。
したがって、一般の塾は、学校のない時間に塾の授業時間を組み、○○講習などと名づけて長時間の特訓勉強をさせたりしています。
ぼくの塾の場合も、おなじように土曜の午後や学校の休みの日に時間割を組んでいました。
ただ、せっかく子どもが休みで自由時聞ができたというのに、そこに塾の勉強までぶっつけてはかわいそうだという考えから、なるべく子どもに負担がかからないように少ない時間でやっていました。
それがいまでは、学校の休みの日はもちもん、土曜日も休みにしてしまいました。
それは、こんなことがあったからです。
あるとき、中学二年の男子の三人の母親が訪ねてきて、
「東進会の勉強はなまぬるいじゃないですか」
「どこの塾でも春季講習をやってますよ」
「休みのときこそやっていただかないと、ほかの子と差がつかないじゃないですか」
などとせまってきました。
たしかに、休みの日まで塾の授業があっては、先生も疲れますし、子どもも部活があったりしますからね。